富士山をモチーフにした素敵なデザインと、書きやすさの両方を兼ね備えたパイロットさんの油性ボールペン「雅絵巻」をご紹介します。
雅絵巻
マットブラックなボディに描かれた蒔絵製作で培った表現
蒔絵は漆器の表面に漆で絵や文様を描き、漆が固まらないうちに蒔絵粉(金・銀などの金属粉)を蒔いて表面に付着させ装飾されます。
雅絵巻のボディは華やかな大和絵の表現を生かして、印刷、および手作業での色粉蒔きにより絵柄を描いているそうです。この色粉蒔きが、とても優雅です。
日本古来の生活文化や年中行事、歴史などを題材とした絵画様式のことです。高級天然岩絵具と金銀の箔を惜しみなく使用した、煌びやかで色彩豊かな華やかさがその特徴です。
蒔絵の工程で、錫(すず)粉や朱・青漆粉などの色粉(蒔絵粉)を、漆で描かれた絵柄に漆の乾かないうちに蒔きつけること。
日本を描く、富士山をモチーフにした4つの絵柄
世界文化遺産にも登録されている富士山は、季節によって様々な表情を見せてくれます。昔の人々にとっての富士山は、噴火や溶岩の流出を繰り返す神が宿る山とされたそうです。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」がきっかけで、富士山は「富士山文」の文様として多く描かれています。
自然の造形や日常の文物をもとにして「図案化」したもので、同じ図案の反復繰り返しによって構成される柄がたくさんあります。日本では特に数多くの伝統的な文様が残されています。文様にはそれぞれの柄に名前と込められた願いがあります。
江戸時代後期に活躍した浮世絵師。 幼い頃から絵を描くことに熱中し、十代の終わりに人気浮世絵師の勝川春章に入門して絵師となりました。 その代表作が「富嶽三十六景」という46図におよぶ浮世絵版画のシリーズです。
絵柄:富士に桜
春だからこそ見ることができる富士山と桜の絶景は、とても素敵です。
寒い冬を乗り越え咲き誇る桜の花は、春の歓びをもたらすことから、幸先の良い物事のはじまりを意味すると言われています。桜の文様は数多くあり、「小桜文」、「桜散らし文」、「八重桜文」、「桜川文」などがよく知られています。
絵柄: 逆さ富士
湖などの水面に上下反転した富士山がくっきりと映り込む現象。 美しい逆さ富士が見られるのは、晴天で風がほとんどなく、水面が鏡のように静かで波が立っていない時です。 限られた条件でしか見られないことから、開運のシンボルにもなっているそうです。
江戸時代に葛飾北斎によって描かれた「冨嶽三十六景 甲州三坂水面」はとても有名です。河口湖から見た逆さ富士が描かれているそうです。
絵柄:富士に紅葉
紅葉と一緒に眺める富士山もとっても綺麗で、桜と同じく人気がありますね。
楓を描くことが多いことから「楓文」とも呼ばれます。赤い楓の葉は鶏の鶏冠(とさか)のように見えることから鶏冠木(かえるで)という古名があったそうで、立身出世の願いが託されることがあるようです。
絵柄: 赤富士に鶴
普段は青っぽく見える富士山が晩夏から初秋にかけて、雪のない山肌が日光によって照らされて赤褐色に染まって見えるのが赤富士です。
葛飾北斎の「冨嶽三十六景 凱風快晴」では赤富士が描かれていることから、通称「赤富士」と呼ばれるそうです。
書きやすさも抜群
雅絵巻は愛用しているクーペと同じスペックで、ペンの絵柄だけでなく実用性のある書きやすさも魅力です。
クーペのこだわり
●スタイリッシュなフォルム
●重量バランスや太さ長さなどの使い心地の良さ
写真の左側がクーペです。
製品名 | クーペ | 雅絵巻 |
サイズ | 最大径φ 11.3mm 全長 142mm | 最大径φ 11.3mm 全長 142mm |
ボール径 | 0.7mm(細字) | 0.7mm(細字) |
軸さや | 黄銅、塗装 | 黄銅、塗装、印刷、色粉蒔き |
方式 | ノック式 | ノック式 |
インキ | アクロインキ | アクロインキ |
替芯 | BRFN-10F-B(ブラック) BRFN-10F-R(レッド) BRFN-10F-L(ブルー) | BRFN-10F-B(ブラック) BRFN-10F-R(レッド) BRFN-10F-L(ブルー) |
銅と亜鉛の合金で、特に亜鉛が20%以上のものをいい、真鍮とも呼ばれます。五円硬貨は、銅60〜70%、亜鉛40〜30%の黄銅製です。
クーペは少し太めなフォルムと真鍮を使った軸の重みによって、ペンを持った時に手に馴染んで書き心地が良かったので、普段使っているクーペと同じスペックの雅絵巻なら書きやすいはずだと思って買いました。
アクロインキを使用
人気のジェットストリームプライムの0.7mmと、雅絵巻の0.7mmの両方で書いてみました。どちらもよく使っていますが書き心地は好みだと思うので、ジェットストリームインクとアクロインキのそれぞれの良さを書き比べてみるのも楽しいかなと思います。
ちなみ個人の感想ですが、雅絵巻で使用するアクロインキは、サラサラしすぎておらず少し粘りを感じます。あまり力を入れなくても濃い色で文字が書けました。
アクロインキは、粘度を一般的な油性ボールペンの約1/5に抑えた低粘度油性インキです。潤滑剤の配合によりペン先でのボールの摩擦抵抗を低減することで回転がスムーズになります。また粘度が低いことから、ペン先へのインキ供給が潤沢になり紙繊維の奥までインキが入り込むので、ムラのない濃い筆跡になります。油性インキならではの優れた耐水性もあります。
飾っておきたい絵柄の雅絵巻は、ちょっと贅沢に普段使いしたくなる書き心地の油性ボールペンでした。
まとめ
雅絵巻の商品紹介
富士に桜/逆さ富士/富士に紅葉/赤富士に鶴
サイズ:最大径φ 11.3mm 全長 142mm
ボール径:0.7mm(細字)
軸さや:黄銅、塗装、印刷、色粉蒔き
方式:ノック式
インキ:アクロインキ