古くて新しいポップな和紙小物を愉しむ

京都の和詩倶楽部さんは「温故知新を愉しむ」をテーマにして、オリジナル和紙小物などを作られています。

◆温故知新とは?
古い事柄を学び直し、そこから新たな知識や理解を得るという意味を持つ言葉です。古い物事や教えを大切にするという意味で使用されることが多いそうです。

 

今回は伝統ある文様をポップにアレンジした和紙小物と、デザインに使われた文様についてご紹介します。

ブックカバー

■室町紗紙 吉兆 書包み (文庫本用)

写真に向かって左側が「吉あられ」、中央が「彩り七宝」、右側が「太秦洛中文」

室町紗紙で作られた書包みです。

◆室町紗紙とは?
室町期に生まれた、書院造の頃より現代まで息づく襖(ふすま)に使用する紗紙です。

 

書包みは、使い込むに連れ手に馴染んでいきます。古くなっても軽く揉んで本を包むと、紗紙独特の風合いを楽しむ事ができます。

文庫本用の書包みは、A6サイズの手帳やノートのカバーとしても使えます。

栞(しおり)

■栞 室町紗紙 三変華

こちらの栞も書包みと同じ、室町紗紙で作られています。

栞は3枚の異なる柄がセットになっています。

「3」という数字は、「割り切れない = 縁が切れない」ことを連想させ、「三つ → 満つ」の語呂合わせとしても好まれているそうです。

「千鳥」

「麻の葉」

「彩り七宝」

栞は、書包みと合わせて使いたくなります。

一筆箋

■一筆其の先箋

一筆箋の紙は、書き心地にこだわった美濃和紙が使われています。

◆美濃和紙とは?
美濃和紙は、岐阜県美濃市でつくられてきた和紙で、福井県の越前和紙、高知県の土佐和紙と並び「日本三大和紙」のひとつに数えられます。柔らかみのある繊細な風合いをもちながら、強靭で耐久性があり、薄くてムラがないという特徴を備えた和紙です。

 

「彩り七宝箋」

「千鳥箋」

「南天箋」

一筆箋は両面に絵が描かれており、裏の絵柄が透けて見えるようになっています。

御朱印帳

■またたびおとも 吉兆柄 御朱印帳 「彩り七宝」

表紙は襖(ふすま)貼りに使用する生成り新紗紙が使われいます。

便箋セット

■吉兆柄『ふたこと箋』和紙便封セット 「麻の葉」

極上和紙を使用した小さなサイズのレターセットです。贈り物に添えるメッセージなどを書くのもいいですね。

デザインに使われた文様

◆文様とは?
自然の造形や日常の文物をもとにして「図案化」したもので、同じ図案の反復繰り返しによって構成される柄がたくさんあります。日本では特に数多くの伝統的な文様が残されています。文様にはそれぞれの柄に名前と込められた願いがあります。

 

◆七宝文
七宝とは仏教用語で、七珍「金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)」を図案化したものが「七宝文」です。七宝を構成する円形は、円が重なりあっていることから円満の願いが込められているそうです。

 

◆麻の葉文
六角形の幾何学文様の麻の葉文。麻の葉の成長が早くまっすぐに伸びることから、健康や成長の願いが込められています。

 

◆青海波文
波文の一種で波を様式化した割付文様です。発祥は古代ペルシャで、シルクロードを経て飛鳥時代に日本に伝わったとされる文様です。青海波文は無限に広がる波に見えることから、未来永劫と平和な暮らしの願いが込められているそうです。

 

◆千鳥文
チドリ科の鳥または、小さな鳥たちが河原や海岸で飛んだり、遊ぶ様子を描いた文様です。チドリは「千取り」の語呂合わせから戦勝祈願、目標達成に通じるとされています。なかでも波や水と一緒に描かれた「波千鳥文」は、「ともに荒波を乗り越える」という意味から夫婦円満、家内安全の願いが込められています。

 

◆南天文
冬になると小さな赤い実をつける常緑低木の南天を描いた文様です。南天は、その名前から「難を転じて福となす」縁起が良い木として、お正月などに飾られます。古くからの吉祥文様です。

◆吉祥文様とは?
繁栄や長寿を表し縁起が良いとされる文様を「吉祥文様」と呼びます。お祝いや厄除けのお守りとして贈り物に選ばれることも多く、その種類は数十種類にも及びます。

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